人間は社会を形成しその中でしか生きられません。そして人間は個人としても集団としても歴史を背負って生きています。ある人(たとえばあなた)が、ある社会(たとえばあなたが知っている国や地域)のなかで生きてゆくとき、その社会やその社会の歴史についてなにひとつ考える必要はない、というわけにはいきません。ある社会がそのようにあるのはなぜでしょうか。その由来はどのようなものでしょうか。あるいは一般に、国家社会はどのように成立し、どのようなシステムによって機能し、そして他の国家社会とどのような関係をもつことができるのでしょうか。人間は社会と歴史のなかに立たされています。そして、社会と歴史に思いをいたすことにより、人間もまた明るみに照らされるのです。