儒教や仏教にみるような中国哲学・インド哲学は、朝鮮半島や東シナ海を通じて日本に伝来しました。こういった伝来思想が日本古来の伝統に根づいた後に、今度は西洋哲学が日本に伝わりました。ところで、現代日本は技術文明の最先端を行きます。実はこの技術文明の発達と並行してその意味や限界を問うてきたのは、古代以来の伝統をふまえた近・現代の西洋哲学です。西洋哲学を学ぶことによって、またさらに西洋の伝統にない東洋哲学も顧みることで、たとえば現代文明による地球環境破壊などの人類存亡の危機に、いっそう柔軟な発想で対応できます。