こころについて深く考えれば考えるほど、それは奇妙でパラドキシカルな性質を持つものに見えてくる。時にはそれはほとんど「ありえるはずのないもの」のようにさえ感じられることがある。現代のこころの哲学は、そうしたこころの存在の奇妙さへの驚きと困惑の表現であり、それを解決しようとする哲学者達の苦闘の産物です。心理学は脳科学に還元されるのか、コンピュータがこころを持つことは可能なのか、そもそも私のこころの存在を私はどうやって知ったのか・・・。私達はこころの正体について、まだほとんど何も知ってはいない。